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根本 義之; 大石 誠; 伊藤 正泰; 加治 芳行
日本保全学会第12回学術講演会要旨集, p.105 - 112, 2015/07
これまで原子炉構造材として使用されるオーステナイトステンレス鋼の中性子照射に基づく材料劣化をき裂等の発生以前の予兆段階で渦電流法、交流磁化法等の磁気的手法により検知する技術開発に関連した研究成果を報告してきた。SUS304等の材料では照射以前から材料中に存在するフェライト相等の磁性相からの磁気信号が、照射による磁気変化の検知を阻害する可能性が考えられるため、本研究では、SUS304照射材の磁気測定を行い、照射量に依存した磁気変化が検知可能であることを確認した。また粒界割れ等の材料劣化と磁気データの相関に関与すると考えられる、照射材の結晶粒界での磁性相生成を透過型電子顕微鏡観察により確認した。以上の成果を報告する。
谷 教夫; 安達 利一*; 染谷 宏彦*; 渡辺 泰広; 佐藤 皓*; 木代 純逸
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.421 - 424, 2004/06
被引用回数:13 パーセンタイル:54.64J-PARC 3GeV陽子シンクロトロンは25Hzの速い繰り返しで電磁石を励磁するため、渦電流によって励磁されるeddy field及び電磁石端部での発熱が非常に大きな問題となる。われわれは電磁石端部の漏れ磁場と渦電流の評価を行うための試験を行った。本論文では、偏向電磁石や四極電磁石における試験の結果について報告する。
谷 教夫; 金澤 謙一郎; 島田 太平; 鈴木 寛光; 渡辺 泰広; 安達 利一*; 染谷 宏彦*
Proceedings of 8th European Particle Accelerator Conference (EPAC 2002), p.2376 - 2378, 2002/00
JAERI/KEK統合計画大強度陽子加速器施設の3GeV陽子シンクロトロンは、25Hzの速い繰り返しで電磁石を励磁するシンクロトロンである。1MWの大強度ビームを達成するために大口径の電磁石が必要とされている。大口径の電磁石は、従来の電磁石と比べて電磁石端部で非常に大きな漏れ磁場が発生することが予想される。また、電磁石は速い繰り返しで励磁されるためコイルや端板における渦電流による発熱が問題となる。われわれはプロトタイプの偏向電磁石を製作し、電磁石端部での漏れ磁場と渦電流の評価を行うための試験を行った。本論文では、偏向電磁石における最初の試験結果について報告する。
A.Gilanyi*; 秋場 真人; 奥村 義和; 杉本 誠; 高橋 良和; 辻 博史
JAERI-Research 99-014, 71 Pages, 1999/03
現在ITER計画の中で製造が進められているCSモデル・コイルの交流損失解析を行った。特にCSモデル・コイルの支持構造物を対象に、汎用有限要素法コードANSYSにより、その解析を行った。支持構造物中では、下部テンション・プレートと呼ばれる部材からの発熱が最も大きく、約3kWに達することが判明した。
仙田 郁夫*; 荘司 昭朗; 常松 俊秀; 西野 徹*; 藤枝 浩文*
Nuclear Fusion, 37(8), p.1129 - 1145, 1997/00
被引用回数:9 パーセンタイル:33.78(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク炉内構造物に誘起される渦電流とそのプラズマ制御への影響を検討した。トカマク炉の例として、国際熱核融合実験炉(ITER)の設計を用い、そのブランケットのモジュール構造を詳細にモデル化し解析を行った。また、トロイダル対称性を持つ2次元的な炉内構造物のモデルで3次元的な詳細モデルと同様な効果を得るための方法を提案した。炉内構造物の渦電流と深く係わるプラズマ制御の問題として、炉内構造物プラズマ安定化効果、プラズマ位置形状の時間発展、磁気計測器の信号、プラズマ点火時の誤差磁場について検討を行った。その結果、プラズマの位置・形状の時間発展などについては、本論文で提案する方法で得た2次元的なモデルで3次元的モデルと良く一致する結果を得た。計測器信号や誤差磁場については、3次元的な渦電流経路の効果が重要であることがわかった。
荒木 政則; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 秋場 真人
Fusion Technology, 30(3), p.674 - 679, 1996/12
ITERダイバータは、プラズマ異常消滅時に巨大な熱負荷を受けるとともにプラズマ電流の変化に伴い、大きな電磁力が発生する。本論文及び講演では、ITER運転シナリオにより変化するプラズマ電流をもとに、ダイバータ部に誘起される渦電流を解析し、これによって発生する電磁力を評価した結果について述べる。
小泉 興一; 山崎 耕造*
プラズマ・核融合学会誌, 72(12), p.1352 - 1361, 1996/12
強力な磁場でプラズマを閉込める磁気閉込め型核融合装置では、プラズマの生成・制御並びにプラズマの移動・消滅に伴う磁束変化によって炉心機器に過渡的な渦電流が誘起される。この渦電流は不整磁場や機器の発熱の原因となるばかりでなく、外部磁場との相互作用で機器に巨大な電磁力を発生させる。特にプラズマ自身に20MA以上の大電流が流れるトカマク装置では、プラズマの異常消滅や垂直方向移動変位(VDE)が極めて短い時間スケールで発生するため、電磁力は数百MNに達する。このため、プラズマ異常消滅時の渦電流・電磁力の解析と電磁力によって発生する応力の評価は、トカマク装置の炉心機器設計を左右する重要な作業である。本報告は、現在工学設計が進められている国際熱核融合実験炉(ITER)と大型ヘリカル装置における渦電流・電磁力の解析例と関連する各炉心機器の技術課題を紹介するものである。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之
JAERI-Research 96-058, 25 Pages, 1996/10
欠陥の方向性によらず探傷可能な渦電流探傷プローブの開発を目的として、欠陥によって発生する磁束の乱れ成分のみを効果的に検出する方法を提案した。本方法は、励磁コイルによって作られる磁界の空間分布の対称性が欠陥の存在によって乱されることに着目し、乱れ成分のみを検出する手法である。プローブは、励磁磁界を発生させる平面コイルと、欠陥による磁束の乱れ成分を検出する差動型コイルで構成される。平面コイルの形状を磁場分布の測定を基に平行四辺形平面コイルとした探傷プローブを試作し、平板上の模擬欠陥について探傷試験を行い本方法の有用性について示した。
中村 幸治; 芳野 隆治; N.Pomphrey*; S.C.Jardin*
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(8), p.609 - 619, 1996/08
被引用回数:8 パーセンタイル:58.77(Nuclear Science & Technology)非円形トカマクのディスラプション放電において頻繁に観測されている垂直移動現象(VDE)をトカマクシミュレーションコードを用いて調べた。プラズマ圧力の急減(崩壊)やこれに引き続いて起こるプラズマ電流のクエンチ(Iクエンチ)などのディスラプション現象が、VDEを安定化すると考えられていた抵抗性シェルによって不安定化作用を生じ、この逆効果を通じてVDEを加速することを示した。Iクエンチが上下非対称なシェルを有するトカマクで生じると、垂直方向にアンバランスな吸引力が生じ、これによって更にVDE加速が起こることを示した。シェルの幾何学的配置がVDE挙動を特徴付けること、VDEの成長率が崩壊の規模、Iクエンチの速度、更にディスラプション直前の外部磁場のn指数に強く依存することを示した。JT-60Uの実験において、ディスラプションが起こる前のプラズマ垂直位置を最適化することで、Iクエンチ駆動型のVDEを緩和することに成功した。
喜多村 和憲*; 小松崎 学*; 西尾 敏; 小泉 興一; 高津 英幸
JAERI-Tech 96-031, 16 Pages, 1996/07
核融合実験炉(ITER)におけるプラズマ崩壊時のブランケットモジュールに発生する電磁力低減対策の一環として、モジュール第一壁表面の銅合金製熱シンク材にトロイダルカット(スリット)を設け熱シンク材とトロイダル方向渦電流と電気的にカットする構造概念の有効性について検討した。その結果、以下の結論が得られ、第一壁銅合金へのトロイダルスリット構造のプラズマ崩壊時における第一壁の渦電流、および電磁力低減に効果的であることが分かった。(1)第一壁材料の銅合金からSUS材への変更、SUS材の板厚低減は第一壁電磁力を低減させ、SUS材板厚50mm以下の領域でその効果は大きい。(2)第一壁銅合金のトロイダルスリット構造により第一壁の電磁力は低減する。インボードモジュールでは実機相当寸法(1mmギャップ長、スリット数17)まで、増加することにより、第一壁内渦電流の60%がSUS材に流れる。
仙田 郁夫*; 荘司 昭朗; 西野 徹*; 藤枝 浩文*; 常松 俊秀
JAERI-Tech 96-016, 23 Pages, 1996/03
プラズマ点火時において、点火領域に発生する誤差磁場を低減するようにポロイダル磁場コイルの制御電圧波形を最適化し、その時の磁場配位の時間発展をシミュレーションする計算コード、Break Down Optimization and Simulation (BDOS)-codeを開発した。国際熱核融合実験炉の工学中間設計・標準シナリオを例にとり、プラズマ点火時の誤差磁場低減の解析を行った。コイル電圧波形の最適化を行うことにより、トロイダル一周電圧が点火領域で17Vの時、誤差磁場が2mT以下の領域を半径1mの円形領域にわたって作ることが可能であることを示した。また、プラズマ一周電圧を低くすることで、低誤差磁場の領域を大きく取ることができ、一周電圧を10V程度にすることで、初期励磁の時と同程度の低誤差磁場領域を得ることがわかった。
西尾 敏; 三浦 秀徳*; 磯野 彬*
International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics, 6, p.37 - 54, 1995/00
ネットワーク回路法による渦電流解析に基づいた電磁機械連成現象を解析するための計算コードを開発した。ネットワーク回路法では作用する起電力の項に構造物の変形の効果が含まれているため、変形の大きい場合の解析も精度良く行なうことができる。コードの検証のための実験も実施した。実験体系は定常磁場中に置かれた薄板導体に変動磁場を印加し、導体各部の振動挙動を実測する。導体の支持方法は、片持ハリ、両端固定および両端回転の3種類である。数値解析の結果と実験結果は極めて良い一致を示し、ITER等の核融合装置の炉心構造物の過渡電磁動力学解析に適用できることが明らかとなった。
石原 正博; 伊与久 達夫; 辻 延昌*
JCOSSAR95論文集, 0, p.199 - 206, 1995/00
高温工学試験研究炉の炉心支持黒鉛構造物の受入検査として、表面欠陥の検出を目的とした渦流探傷検査の適用性について、検出限界欠陥寸法の実験的評価及びこの検出限界欠陥寸法を表面欠陥として想定した破壊力学的評価を実施した。その結果、(1)渦流探傷検査によるPGX黒鉛の検出限界欠陥寸法は、長さ約5mmで深さ約1mm程度であること、(2)検出限界欠陥寸法の初期欠陥は、原子炉の運転に伴い進展しない領域にあること、(3)検出限界欠陥寸法は、破壊の開始する限界欠陥寸法との比較から十分に許容される大きさであること、を明らかにし、黒鉛構造物の受入検査として、渦流探傷検査による表面欠陥の検出が有用であることを示した。
石原 正博; 七種 明雄; 伊与久 達夫; 塩沢 周策; 大岡 紀一; 神戸 護*; 高橋 正昭*
JAERI-M 93-252, 39 Pages, 1994/01
高温工学試験研究炉(HTTR)の炉心支持黒鉛構造物のうち、原子炉級準等方性PGX黒鉛構造物の受入検査として渦流探傷試験を計画している。多孔質材料である黒鉛材料は、金属材料と特性が異なり、鋼構造物等の金属材料に対して確立された渦流探傷試験方法をそのまま黒鉛構造物に適用できない。このため、原子炉級微粒等方性IG-110黒鉛については、既に渦流探傷試験の方法等を策定した。しかしながら、PGX黒鉛は、IG-110黒鉛に比べ粒径が大きく、さらにより気孔径も大きく探傷面での表面状態に相違があるため、渦流探傷試験による欠陥の検出性が異なり、IG-110黒鉛に対する規定をそのまま適用できない。このため、PGX黒鉛の欠陥の検出性を調べ渦流探傷試験の方法及び条件を策定した。
稲垣 嘉之; 宮本 喜晟; 中島 玉雄*; 上妻 強志*; 東海林 一*
Nuclear Technology, 104, p.106 - 117, 1993/10
被引用回数:2 パーセンタイル:29.79(Nuclear Science & Technology)HTTR中間熱交換器(IHX)伝熱管の供用期間中検査用の渦流探傷検出器と検出器挿入装置の開発を行い、その性能試験を実施した。検出器の検出特性は、模擬欠陥を設けたハステロイXR製の試験片を用いて調べており、模擬欠陥は軽水炉蒸気発生器伝熱管のASME Code基準を参考に製作した。試験の結果、伝熱管母材部ではASME基準を満足しており、さらに0.5mmの貫通穴及び0.5mm幅の溝等の小さな欠陥も検出可能であることを確認した。また、報告例の希な溶接継手部についても検出特性を明らかにし、多重周波数法により計測可能であることを確認した。試作した検出器挿入装置は、モックアップモデルの高温ヘッド内に据え付け、作動性能を確認するとともに、伝熱管内での検出器の移動挙動を解明した。
石原 正博; 七種 明雄; 伊与久 達夫; 塩沢 周策; 大岡 紀一; 神戸 護*; 高橋 正昭*; 田中 康博*; 進藤 嘉久*; 河江 秀俊*
JAERI-M 93-197, 44 Pages, 1993/09
高温工学試験研究炉(HTTR)の炉心及び炉心支持黒鉛構造物のうち原子炉級微粒等方性IG-110黒鉛製品に対しては、非破壊検査として渦流探傷試験を計画している。金属材料に対する渦流探傷試験の実績は十分有り、その検査基準は確立されている。しかしながら、多孔質材料の黒鉛材料は金属材料と特性が異なるため、鋼構造物の渦流探傷試験方法をそのまま黒鉛構造物に適用できない。このため、IG-110黒鉛製品を対象とした渦流探傷傷試験の方法及び条件を明確にした。
稲垣 嘉之; 宮本 喜晟; 中島 玉雄*; 上妻 強志*
日本原子力学会誌, 35(3), p.227 - 236, 1993/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)HTTR中間熱交換器(IHX)伝熱管の供用期間中検査(ISI)は、渦流探傷法(ECT)により実施する計画である。ECT検出器の特性を確認するためにIHX伝熱管と同素材(ハステロイXR)、同寸法の試験片を用いて欠陥検出試験を実施した。人工欠陥は、IHXにとって安全側となるASME Code軽水炉の蒸気発生器伝熱管の欠陥指標を参考にした。試験の結果、伝熱管母材部ではASME Codeの基準を十分満足しており、更に0.5mmの貫通穴及び幅0.5mmの溝等の小さな欠陥も検出可能であることを確認した。溶接部では、伝熱管内面の溶接金属部がノイズの原因となるが、多重周波数法により、そのノイズを除去することが可能であった。しかし、検出性能は低下した。
稲垣 嘉之; 宮本 喜晟; 加藤 潔*; 中島 玉雄*; 上妻 強志*; 東海林 一*
JAERI-M 92-151, 49 Pages, 1992/10
HTTR中間熱交換器(IHX)伝熱管の供用期間中検査用の渦流探傷検出器と検出器挿入装置の性能試験を行った。検出器の検出特性は、模擬欠陥を設けたハステロイXR製の試験片を用いて調べており、模擬欠陥は軽水炉蒸気発生器伝熱管のASME Code基準を参考に製作した。試験の結果、伝熱管母材部ではASME Code基準を満足しており、さらに0.5mm貫通穴及び0.5mm幅の溝等の小さな欠陥も検出可能であった。伝熱管支持構造部や溶接継手部については、多重周期数法によりノイズの除去が可能であったが、検出性能は低下した。試作した検出器挿入装置は、モックアップモデルの高温ヘッダ内に安定して据え付けられ、支障なく検出器の挿入・引抜きが可能であった。伝熱管内における検出器の移動挙動については、ケーブルのたわみが移動速度のばらつきや検出器位置の測定誤差の原因になることを確認した。
D.A.Humphreys*; 芳野 隆治
JAERI-M 92-069, 25 Pages, 1992/05
JT-60U・トカマクは、非円形度として1.6~1.8のプラズマを生成するため、垂直位置不安定性現象が発生する。本論文は、JT-60Uプラズマの垂直位置不安定性に関する特性を実験シミュレーション計算の比較を行なうことにより明らかにしている。実験においては、フィードバック制御停止時の垂直位置挙動と、ベータポロイダルを高める時に発生する垂直位置不安定性を解析している。シミュレーション計算においては、プラズマをトロイダル軸対称コイル・ループ群のリジッドな集合体と仮定し、導体に対しては、コイル励磁試験結果を再現するように、設計値を微調したモデルを使用している。すなわち、水平磁場コイルに対し仮想受動コイルを加え、真空容器渦電流モデルを低次化している。得られたプラズマ導体モデルは、プラズマ垂直位置挙動をよく再現し、これを用いて、JT-60Uにて予想される最大のシャフラノフラムダの予測計算を行なった。
閨谷 譲; 牛草 健吉; 松川 誠; 二宮 博正
Proc. of the 1992 Int. Conf. on Plasma Physics,Vol. 16C,Part 1, p.I447 - I450, 1992/00
JT-60Uのディスラプション時におけるプラズマ及び渦電流の挙動を調べた。また、この渦電流による電磁力によって生じる真空容器の振動の解析を行い、設計の妥当性を確認した。JT-60Uでは数ショットの垂直位置不安定性によるディスラプションをのぞいて、ほとんど全てプラズマが内側に移動して消滅している。このため、現在までのところ、支配的な電磁力はトロイダル方向の渦電流によるものである。この渦電流の最大値は標準サイズのプラズマ(-0.2Zj0.2m,0.749p1.04m)でIpに比例して増加し、その結果真空容器の最大振巾はIpに比例することを確認した。このことから、4MAディスラプションでの振巾0.548mmを6MAまで外挿しても~1.3mmであり、設計許容値である2mm以内であることを確認した。